Costa Rica-El Salvador
ご縁あって、今回はエルサルバドルにも足を伸ばした。
この農園は、以前BASKING COFFEEで働いてくれていた彩乃ちゃんの知人である、ユウスケさんが、 JICA隊員として駐在している農園だ。
ユウスケさんはここで、「エルサルバドルコーヒー産地のマーケティング部門」として派遣された。
コーヒーが大好きな彼にとっては、コーヒー農園で生活できるということが楽しくて仕方がないそうだ。
なんだかひと昔前の自分を見ているよう。
空港までサンタローサ農園主のラウルさんに迎えに来てもらい、まずは首都サンサルバドルにあるラウルさんのオフィス兼ラボラトリーへ向かった。
ラボラトリーの施設の充実度に圧倒された。
最新のマシン、器具が揃っていて、なんとカウンターバーまである。そこで、クオリティマネージャーの方が様々な器具を使ってコーヒーを淹れている。
いくつか試飲させてもらったけど、
それもそのはずで、
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顔からしてすでに匠 |
早口な英語で、ラウルさんは彼のコーヒーに対する考え、農園を運営すること、エルサルバドルの経済状況など、たくさんのことを話してくれた。
学生の時は経済学部を専攻していて、銀行で働いていたこともあり、ファイナンスの面で卓越した視点を持っている人だと感じた。
日本にも何度も来たことがあって、どこのラーメンが美味しい、美味しくないとか、日本酒は大吟醸だよとか、暑苦しく語ってくる 。
かなりのグルメでもあるようだ。
サンサルバドルから2時間ほど車を走らせSanta Rosa農園へ。
そこでユウスケさんと落ち合った。
彼とは去年の夏にあったSCAJ以来だったが、その時の印象と少し違っていて、なんだかとても現地に馴染んでいた。
髭がすごい。
髭がすごい。
ちょうどこの日はホンジュラスから2人の農園主の方が来ていて、彼らもラウルさんからコーヒー栽培について学びたいということだったので、同伴することに。
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左:ホンジュラスの農園主 右:ラウルさん |
4WDで山の中のでこぼこ道を走らせ、農園にようやくたどり着く。
「向こうに見える山はもうホンジュラスだよ」とラウルさんが教えてくれた。
「
農園内は、僕がコスタリカで知っている農園とはまた雰囲気が違って、森の中にいるような感じがして面白い。
アップダウンの激しい、道なき道を歩きながら、ラウルさんが僕たちの質問に一つ一つ丁寧に答えてくれる。
ここの農園では、パカマラ種がメインで植えられていた。
葉が深緑色で、大ぶり。
果実そのものもやたらとサイズが大きく、口に含むと、とても甘いだけでなく複雑なフルーティな味わいがあった。
葉が深緑色で、大ぶり。
果実そのものもやたらとサイズが大きく、
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シェードツリーは松の木だった。 |
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パカマラの木 |
今年は収穫量が大幅に減ったらしい。
その理由は、パカマラ種のほとんどの木を剪定したからだそう。
コーヒーの木というのは、生産力だけを見れば数十年は持つものだが、成長するにしたがい養分が隅々まで行き渡りにくくなるため、収穫した豆の味がどうしても落ちてしまう。
そこで、5年ごとに余分な枝を取り除くことによって、生産力を再活性化させる狙いとのことだった。
そこで、5年ごとに余分な枝を取り除くことによって、
収穫量を増やすことより、クオリティを高めることを優先するのは、ロースターが少量ずつ焙煎するのに通じていて、その人のフィロソフィーが現れる部分だと思う。
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夕焼けがめちゃくちゃきれいだった。 |
続いてベネフィシオ(精製所)へ。
ここも、カッピングラボからアフリカンベッドからドライミルまで何でも揃っていて本当にすごい。
一回りした後、カッピングラボでSanta Rosaの生豆を焙煎している国内のロースターの豆のカッピングを少し。
2月の頭だとまだ収穫も始まったばかりで、サンプルとして準備できるものがほぼない状態。
なのでサンプルは後日、日本へ送ってもらうことにした。
この日サンサルバドルのホステルに着いたのは夜の9時。
バックパッカーをしていた時を思い出させるような、湿った薄暗いドミトリーで、泥のように眠った。
朝早くから農園中をアテンドしてくれたラウルさん、ユウスケさんに感謝。
本当に勉強になることが多く、1日だけだったけど来れて良かった
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Think ouside the box,and keep trying.
「今までと同じことをし続けても進歩はない。常に新しいことにチャレンジして、試行錯誤を続けることが、大事だと思う。」
とラウルさんは言った。
***
El Salvador-Costa Rica-New York
ロスロブレス農園の豆を買い始めて3年目。
お互いに信頼関係も深まってきていると実感できた。
レオさんは、僕らのために今年は農園内でも1番いいエリアの豆を用意してくれていた。
お兄さんのエイリンさんは、新しい生産処理を学んで、僕らのために作ってくれていた。
この人たちの期待に応えたい。
来年も、再来年もこの人たちから買い続けられたらいいな。
品質の良いコーヒーだけを求めて、僕は産地へ行っているわけではない。
「この人たちと共に成長していきたい」
そんな仲間を見つけて行く事が、僕にとっては大切なんだ、と気づいた今回の旅でした。