2019年3月16日土曜日

BRASIL旅日記【初日・サンパウロ】

長い長いフライトを終え、ブラジルのサンパウロに到着。

空港では、BSCA(ブラジルスペシャルティコーヒー協会)で今回の案内役を務めるクリスという男が寝ぼけまなこの僕を待っていた。

今回ブラジルに来たのは、BSCAの主催するコーヒーのオークションに参加するためである。
日本からは「BASKING COFFEE」と長崎の「KARIOMONS COFFEE」が招待された。

今日から始まる1週間のプログラム。

予想が着かないこれからの日々にわくわくが止まらない。

サンパウロ市内のホテルまで車を走らせる。

中心地に近づくにつれ、建物に描かれているグラフィティが目に入るようになった。

サンパウロでは、まるで街全体がキャンパスだと言わんばかりに、あちらこちらにアートとも落書きともとれる、たくさんのグラフィティが描かれている。
この街ではグラフィティに関して規制はないのだろうか。

ホテルに到着すると、カリオモンズの伊藤さんが先にロビーにいた。

今日の夜まで予定は特になかったので、チェックインして、伊藤さんと昼ごはんを食べに出掛けた。

近所の適当なレストランに入り、クラフトビールとステーキを注文。


肉がとにかくでかい。
ブラジルに来たことを実感。

僕は飛行機の中ではお酒を飲まなかったので(酔っ払いすぎるため)、
長旅のあとにようやくありついたビールは感動的に美味しかった。

夜のウェルカムパーティまで時間があったので、ブラジル現代美術館へ散歩もかねて行ってみる。

「rubem valentim」 というブラジル出身のアーティストの展示があっていた。
きっと人気があるのだろう。観光客よりは地元民で賑わっていた。



街に溢れるおびただしいほどのグラフィティ群は、ブラジルの芸術に対する寛容さの表れで、それが国内から才能あるアーティストを輩出する要因になっていたりするのだろうか。

知らない土地で情報を入れずに、色々なことを勝手に想像したり分析したりするのは愉しい。

夜はウエルカムパーティがあるとのことだったのでホテルのロビーに集まり、他のメンバーと顔を合わせ、共にバスで移動。

僕たちのほかに総勢22名がこのイベントに参加していることが分かった。
ヨーロッパ、アジア、南アメリカ、北アメリカ、オーストラリアからやってきた国際色豊かなバイヤー達。
彼らと1週間、一緒に過ごすことになる。

パーティ会場は、今回の企画の主催者であるフィリップが所有するロースタリーだった。
ここには焙煎機だけでなく、大きなカウンターバーもあるし、立派な生豆の冷蔵保管室もあった。


これだけ空間を贅沢に使えるのは羨ましいなぁ、と思う。



なぜか食事はトルコ料理。
ビールや食事をつまみながら、ゆるい感じでみんなと談笑した。






【サンパウロでのコーヒーショップ巡り】



「まずはサンパウロのカフェシーンを見て欲しい」
というフィリップの提案により、翌朝サンパウロ市内のコーヒーショップ巡りを敢行。

最初のカフェは「UM coffee」




ここでは、農園経営から焙煎、カフェ、コーヒートレーニング、輸出業務まで全て自社で行なっていて、特にコーヒートレーニングに力を入れているとのことだった。

ブラジル国内でもパイオニア的な存在にあたり、バリスタやロースターの技術の全体の底上げに相当に寄与していると思われる。

続いて「URBE」。
ここも朝から満席で大盛況だった。




3軒目(名前忘れた)でまたコーヒーを飲んで、気持ち悪くなり始めたころに昼食へ。

本場のシュラスコ!これにはテンションが上がった。

何しろ僕は福岡にあるシュラスコのお店の常連客なのだ。

テーブルのカードを表にしていれば、お肉の塊を持った給仕がお皿に肉を切り分けてくれる。カードを裏返せば、「もういりません」の合図。
のはずだが、裏返していても何故か目が合ったらすかさず肉を切り分けにくる。
圧がすごい。あと眼力がすごい。





4軒目「coffee lab」


ここはブラジルのナショナルバリスタチャンピオンのお店とのこと
お店の空間の使い方が非常に上手く、友達の家に遊びに来たような雰囲気。

ここで、カルモコーヒーのプロモーションカッピングが行われた。


なんか、やっと仕事っぽくなってきた。

昼食のシュラスコでがっつりカイピリーニャを飲んでるロースターもいたが、この時間になるとさすがに皆、顔つきも変わり、真剣である。

カップは全体的にクオリティが高かった。

特に気に入ったカップは「Araraという新しい品種だったらしく、イエローカトゥアイ とオバナの掛け合わせとのこと。覚えておこう。

この後さらにもう1軒、ショッピングモールの中にある「il barista」というお店でコーヒーを皆で飲む。

この辺りになると、僕も伊藤さんも時差ぼけのせいか眠気もピーク、なのにカフェイン過多で頭が冴えているというよく分からない状況になっていた。

他のメンバーも同様の様子だったが、中国から来ているロースター達だけは例外で、バリスタが淹れるドリップの動画を撮ったり、バリスタにあれこれ質問しまくったりと、最後までやたらと元気だった。

初日から濃い1日だった。



続く

2019年3月5日火曜日

2019年 コスタリカ買付けの旅〜番外編〜

Epilogue~

「ねぇ、海に行くより一つでも多く農園見て回りたい。仕事がしたい」
と言う僕に、
「一休みしなさい。遊んで、ゆっくり休まないと仕事も上手くいきっこないよ!」
と叱咤する和子さん。

それが毎年のパターンになってきた。

今回は、コロナドから近いリゾートビーチへ。(名前忘れた)
Airbnbで予約していた別荘に泊まった。
やたらだだっ広く、テラス&ジャグジー付きでなんだか僕らには持て余してしまうくらいの立派な家だった。

早速ジャグジーの横でヨガを始める和子さんと和臣。
僕はプールでガチで泳ぐ。
もちろんひたすらクロールだ。

贅沢な時間・・・。

キッチンで和子さんの次女やっちゃんが料理を作ってくれ、みんなで話をしたり、映画を観たり(和子さんが好きなのは戦前の日本映画)して過ごす。ゆっくり、のんびり食事しながら。

夕方、日が落ちてきた頃にみんなで海に行った。








海の中から夕陽を見た。

久しぶりに、太陽がその丸い形を保ったまま、海の向こうへ沈むのを見た。

そこにいた誰もが、その大いなるパフォーマンスに眼を奪われているようだった。

夕陽に照らされてきらきら輝く波の飛沫が美しい。
身体を海水に浮かべて夕焼けに染まった空を見上げていると、まるで自分がこの地球に溶け込んで一体になったような気分がした。

一年に一度、こうしてコスタリカの家族である和子さん家族と過ごす。

毎年少しずつ何かは変化していて、また変わらないものもある。

この人達と一緒にいるのは楽しい。何しろぶっ飛んでる。
この人達と会うことで、僕はいつも原点に帰ることができる。

まだまだ続いていく旅。今回もありがとう。

【ニューヨーク】



乗り継ぎ便の航空券がとても安かったので、帰りはニューヨークへ寄った。

5年ぶりになるニューヨーク・シティ。
どこの国も、大都市はあまり好きになれない方なのだけれど、ニューヨークは大好き。

地下鉄に乗ると、右隣からスペイン語、左隣からはドイツ語、後方からリズミカルなブラック・イングリッシュが聞こえてくる。

世界中のあらゆる人種が、それぞれ混じり合うわけでもなく、勝手に生きている街。
少しでも気を緩めたら、すぐにでもはじき出されそうなくらい異常な「したたかさ」が求められる街。

地下鉄は相変わらず汚く、騒々しく、そこにいる誰もが少し疲れているように見えた。
マンハッタンの地上に上がると、そびえ立つ高いビルの間を人々は早足で歩いている。

決して健全な人間生活には見えない。

それでありながら、ここから産み出るカルチャーには確かに心を掴む何かがある。

STAR BUCKS RESERVE ROASTERY

ブルックリン地区にある「DOVOCION」。贅沢な空間の使い方・・・






アメリカ自然史博物館。まじ恐竜でかい。半端ない。


やっぱり好きだ、MOMA。

Monet.「Water Lily」

朝の6時から街に出て、1日中歩きまわったけれど、まぁ全然時間が足りない。
やっぱり大都会だなぁ。

こっちでも「Uber Eats」が流行っているみたいで、黒人の兄ちゃんが自転車であの宅配BOX背負って走っているのを見た。
HIP HOPを街中に響くくらいがんがん鳴らしながら・・・。
こういうところ好きだよ、アメリカ。

よるご飯は中華料理「ジョーズ上海」。
大人気のお店である。小籠包が美味しかった。

「したたかさ」といえば、チャイニーズのしたたかさは本当に見ていて気持ちがいいくらいだ。
お客さんのアラブ人もヨーロッパ人も黒人も彼らの強気な接客にたじたじ・・・。

夜中に空港に戻り、フィリピン行きの飛行機へ。

フィリピン・マニラでの出来事は、割愛します(笑)。

おしまい









2019年2月13日水曜日

2019年 コスタリカ買付けの旅〜エルサルバドル編〜

Costa Rica-El Salvador





ご縁あって、今回はエルサルバドルにも足を伸ばした。

この農園は、以前BASKING COFFEEで働いてくれていた彩乃ちゃんの知人である、ユウスケさんが、JICA隊員として駐在している農園だ。

ユウスケさんはここで、「エルサルバドルコーヒー産地のマーケティング部門」として派遣された。

コーヒーが大好きな彼にとっては、コーヒー農園で生活できるということが楽しくて仕方がないそうだ
なんだかひと昔前の自分を見ているよう。

空港までサンタローサ農園主のラウルさんに迎えに来てもらい、まずは首都サンサルバドルにあるラウルさんのオフィス兼ラボラトリーへ向かった。


                    
ラボラトリーの施設の充実度に圧倒された。

最新のマシン、器具が揃っていて、なんとカウンターバーまである。そこで、クオリティマネージャーの方が様々な器具を使ってコーヒーを淹れている。

いくつか試飲させてもらったけど、どれも素晴らしいクオリティだった。

それもそのはずで、ラウルさんの農園Santa Rosaは、「カップ・オブ・エクセレンス」(世界的なコーヒー品評会)に何度も入賞していて、世界中の有名なロースターがこぞって彼からコーヒー豆を購入したがっているくらいだ。

顔からしてすでに匠


早口な英語で、ラウルさんは彼のコーヒーに対する考え、農園を運営すること、エルサルバドルの経済状況など、たくさんのことを話してくれた。

学生の時は経済学部を専攻していて、銀行で働いていたこともあり、ファイナンスの面で卓越した視点を持っている人だと感じた。

日本にも何度も来たことがあって、どこのラーメンが美味しい、美味しくないとか、日本酒は大吟醸だよとか、暑苦しく語ってくる
かなりのグルメでもあるようだ。

サンサルバドルから2時間ほど車を走らせSanta Rosa農園へ。

そこでユウスケさんと落ち合った
彼とは去年の夏にあったSCAJ以来だったが、その時の印象と少し違っていて、なんだかとても現地に馴染んでいた。
髭がすごい。

ちょうどこの日はホンジュラスから2人の農園主の方が来ていて、彼らもラウルさんからコーヒー栽培について学びたいということだったので、同伴することに。

左:ホンジュラスの農園主 右:ラウルさん

4WDで山の中のでこぼこ道を走らせ、農園にようやくたどり着く。

向こうに見える山はもうホンジュラスだよ」とラウルさんが教えてくれた。
農園内は、僕がコスタリカで知っている農園とはまた雰囲気が違って、森の中にいるような感じがして面白い。

アップダウンの激しい、道なき道を歩きながら、ラウルさんが僕たちの質問に一つ一つ丁寧に答えてくれる。





ここの農園では、パカマラ種がメインで植えられていた。
葉が深緑色で、大ぶり。
果実そのものもやたらとサイズが大きく、口に含むと、とても甘いだけでなく複雑なフルーティな味わいがあった。


シェードツリーは松の木だった。

パカマラの木



今年は収穫量が大幅に減ったらしい。

その理由は、パカマラ種のほとんどの木を剪定したからだそう。

コーヒーの木というのは、生産力だけを見れば数十年は持つものだが、成長するにしたがい養分が隅々まで行き渡りにくくなるため、収穫した豆の味がどうしても落ちてしまう。 

そこで、5年ごとに余分な枝を取り除くことによって、生産力を再活性化させる狙いとのことだった。

収穫量を増やすことより、クオリティを高めることを優先するのは、ロースターが少量ずつ焙煎するのに通じていて、その人のフィロソフィーが現れる部分だと思う。

夕焼けがめちゃくちゃきれいだった。


続いてベネフィシオ(精製所)へ。


ここも、カッピングラボからアフリカンベッドからドライミルまで何でも揃っていて本当にすごい。

一回りした後、カッピングラボでSanta Rosaの生豆を焙煎している国内のロースターの豆のカッピングを少し。

2月の頭だとまだ収穫も始まったばかりで、サンプルとして準備できるものがほぼない状態。
なのでサンプルは後日、日本へ送ってもらうことにした。

この日サンサルバドルのホステルに着いたのは夜の9時。

バックパッカーをしていた時を思い出させるような、湿った薄暗いドミトリーで、泥のように眠った。

朝早くから農園中をアテンドしてくれたラウルさん、ユウスケさんに感謝。

本当に勉強になることが多く、1日だけだったけど来れて良かった


Think ouside the box,and keep trying.
「今までと同じことをし続けても進歩はない。常に新しいことにチャレンジして、試行錯誤を続けることが、大事だと思う。」

とラウルさんは言った。

***

El Salvador-Costa Rica-New York

ロスロブレス農園の豆を買い始めて3年目。

お互いに信頼関係も深まってきていると実感できた。

レオさんは、僕らのために今年は農園内でも1番いいエリアの豆を用意してくれていた。
お兄さんのエイリンさんは、新しい生産処理を学んで、僕らのために作ってくれていた。

この人たちの期待に応えたい。
来年も、再来年もこの人たちから買い続けられたらいいな。

品質の良いコーヒーだけを求めて、僕は産地へ行っているわけではない。

「この人たちと共に成長していきたい」

そんな仲間を見つけて行く事が、僕にとっては大切なんだ、と気づいた今回の旅でした。







*今年買い付けた豆は8月頃に入荷予定です。
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2019年2月12日火曜日

2019年 コスタリカ買付けの旅〜コスタリカ編〜


1
30日。

出発の朝、軽い頭痛がした。二日酔いだ。
僕は普段はあまりお酒を飲まないのだけれど、旅の前日はなぜか飲み過ぎてしまう。

それは気持ちが高揚しているためなのか、日本に悔いを残さないためなのか(笑)、はっきりした理由はよくわかっていない。

今度の旅も万事上手くいきますように。

国際線でまずソウルへ。それから乗り継ぎでロサンゼルスへ向かった。そこからさらに乗り継いでコスタリカのサンホセへと向かう。
23時間の移動だ。

飛行機の中では映画を観たり、小説を読んだり(旅行中はノンフィクションよりも小説か旅行記を読むのが好きなのだ)、考え事をしてみたり、それに飽きるとうたた寝したりして、無感覚に時間を過ごした。

コスタリカの首都サンホセに着いたのは同日の夜7時ごろ。
いつものように僕のパートナーである和臣が車で迎えに来てくれた

初日は和臣の実家で一泊することになっていた。
夜少し遅くなってしまったけれど、和子さん(和臣のお母さん)が、自家製のピザと自家製ビールを夕食に用意してくれていた。

(*この家では野菜から味噌からお酒から着物まで、何から何まで自分達で作っている。帰り際には自家製ふんどしをもらった。)

そして、ここで食べるご飯がつい食べ過ぎてしまうくらいに本当に美味しい
これの為だけでもコスタリカに来る価値があるとさえ思う。

翌朝、これも毎年恒例なのだけれど、和子さんの野菜畑の様子を見に行った。

5年前に初めて訪れた時から、育てている無農薬野菜と果物の種類もどんどん増えて、畑の敷地面積もいつの間にか倍以上になっている。

和子さんは農作業が楽しくて楽しくて仕方がないそうだ。
畑の説明をしている時、彼女の表情はとても生き生きしている。
たしかにこの野菜畑にくると、農業とはクリエイティブなんだなと思わされるし、いつも気持ちが安らぐ。





昼前にまず「ロジスティックサポート」という、輸出業者の事務所を訪問した。

ロブレスさんのコーヒー豆はこの会社がコンテナに入れて日本に送ってくれている。
自分達が扱うコーヒーがどのような経路で来るのかをもっと知りたくて、一度来てみたかったのだ。

担当のエリックは僕と同い年で誕生日も3日違いだったことが判明。人あたりが良く、柔らかい笑顔が印象的な青年だった。
たくさん話が出来て良かった。

左から和臣、和子さん、エリック、僕。
知人のオーガニックレストランで昼ご飯


午後からは車を2時間ほど走らせて、コーヒー産地であるタラス地区へ。
和臣と政治や世界情勢などについて熱く議論しているうちに到着。




やっぱり、コーヒーが育つ所の自然環境が好きだ、と思う。

なだらかな曲線を描く地形。
青く澄んだ空の色。
遠くに野鳥の声が聞こえ、乾いた心地の良い風がこの身体を通り抜けていく。
すべてが調和しているこの感じ。

もう夕方近くになっていたので、仕事を終えたロブレス一家と食事をしながら談笑。

話の中で印象に残ったのは、世界的な気候変動がコーヒー生産にかなり影響を及ぼしているという話。

ここ5年間はそれまでの平均気温よりずっと高い年が続いていて、シェードツリーがないと強い直射日光により木が焼けてしまい、そのせいで収穫量が落ちることもあるとか。

それに適応させていくため、ロブレスさんたちは今年から、生産力と味の良さの両方を兼ね備えた品種を開発し、植え始めている。

毎日自然を相手に仕事をしている彼らの実感なので、突き刺さる説得力があった。


翌朝。
ホテルの外に見える景色に惚れ惚れしながら朝食をとる。

この日はロブレスさんの友人であるウーゴさんの農園を見に行くことになっていた。

ホテルにて。ここで和臣と早朝から筋トレ(笑)





山に囲まれた街を車で通り抜ける。
      

ウーゴさんとは去年、ロブレスさんのベネフィシオ(精製所)で一度会ったことがあった。

和臣の話によれば、彼はコーヒー愛が半端な沙汰でなく、相当の研究熱心な人のようだ。

農園を見せてもらいに行く。
コーヒーの他にもアボカド、りんご、プラム、桃など様々なフルーツを生産していて生活の糧にしているそう。
急斜面が凄くて、木を見て回るのに、ウーゴさんのあとを着いていくのも大変だった。

ピッカーの人たち。一番右がウーゴさん。


フルハニー(こっちでは、皮だけ剥いたミューシレージがほぼ残った状態にするプロセスをこう呼んでいる。)を何袋か、彼から購入しようと決めた。

午後はもう一度ロブレスさんのところへ戻り、一緒に昼食。
家庭の味というのはどこの国でも美味しい
量も「無限にあるのでは」と思ってしまうほど多く、ついつい毎回食べすぎてしまう。

食事を終えて昨日焙煎していた豆のカッピング。

まだフレッシュ過ぎる感はあったけど、まぁ素材の良さは分かる。

うん。いいね、今年も。

という事で、去年と同じようにダブルウォッシュト、イエローハニー、ナチュラルの購入を伝える。(どうせ買うつもりだったけどね。)

あとサンプルがまだなかったけど、ゲイシャのナチュラルと、今年から実験的に作っているアナエロビックもオーダー。楽しみ。


なんかデンマークのロースターの人が来てたので一緒にカッピング。

「アナエロビック」というのは、嫌気性発酵プロセスの事。

密閉させた容器の中にミューシレージの付いた状態のパーチメントに別ロットのミューシレージを加え、酸素を取り出した状態で発酵を促す。ミューシレージの酵素反応で発生する炭酸ガスの圧力によって、ミューシレージの成分をより強力に浸透させることができる。
お好みでオレンジの葉やミントの葉なども一緒に加えて待つ。

それからアフリカンベッドに移し日陰のもとでスロードライして出来上がり。



常に新しいことに果敢に挑戦しているロブレスファミリーに脱帽。

農園主のレオさんの弟であるエイリンさんはコスタリカコーヒー協会の主催するセミナーに足しげく通っていて、先日、新しい品種の開発に貢献したということで賞状をもらったらしい。
(「賞状見るか?」と、部屋からわざわざ持って来て見せてくれた。僕はずっと別のことを考えていた)



カッピングの準備の時もずっと手伝ってくれていたルイスくん11才。

お母さんがピッカーとしてこの農園で働いているので、彼も働き手としてここに来ている。
「お父さんは?」と聞くと「ずっと前に家を出て行った」と淡々とした口調で答えた。
こっちの子供は妙に大人びている。

でも、いつでも僕らが行くところについて回って、手伝いたそうにしているのが、可愛かった。

***

何度かコスタリカに来るようになって気づいたことだが、素晴らしい農園主でも、海外にクライアントを持てる機会がなかなか持てないことがわかってきた。

ほとんどの農園は農協のようなところと契約しているのが実情だ。
農協は彼らの代わりに買い手を見つけてくれ、彼らの作ったコーヒーを全て買い取ってくれるからだ。

もちろん、それだけで生産者は全てのリスクを取り除けるわけではなく、例えば供給量が多い年は安い値段で買い取られることもあるし、不作の年に何か補償をしてもらえるわけでもない。

より良い品質を作ろうと、設備費用をコーポレーションから借入していても、安定しない収穫量のせいで思ったように返済できず困窮している生産者も多い。

僕の個人的な希望としては、ロブレスさんともこれからも継続的な取引をしていきつつ、「美味しいコーヒーを作ろうとしている人達」に、少しばかり僕たちも協力できたらいいな、と思っている。

「あなたからもコーヒーを買いたい」と伝えた時の、ウーゴさんの嬉しそうな表情が今も目に浮かぶ。

色々説明中のレオさん。

いい色。

渋いレオさん。




次回はエルサルバドル編です。

*今年買い付けた豆は8月頃に入荷予定です。
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