2019年7月6日土曜日

台湾TRIP 

先日、BASKINGのスタッフみんなで台湾研修へ行ってきました。
とても刺激がある3日間でした。少しここに書き留めておきます。

***

福岡からたったの2時間。
僕たちチームBASKINGの4人は、台湾空港に到着した。

台湾ってこんな近いのか・・・。なのに、今まで来たことなかったんだなぁ。

今回アテンドしてくれることになっている台湾の方々が迎えに来てくれた。

彼らはToshiの知り合いで、チチさん、アンさん、チアイーさん。
チチさんは台北にあるロースターのオーナーさんで、アンさんはチチさんのガールフレンドとのこと。チアイーさんは雑誌の編集者。
皆、なんだか雰囲気や仕草が日本人と似ている。

早速バンに乗り、一行は台南のやや北に位置する「嘉義市」へと向かった。
途中で僕らチームBASKINGがお腹が空いたため、お昼ご飯のためハイウェイを降り、台中にある「新竹」という街へ寄ってもらった。

ここのご当地料理であるライスヌードルなるものを食べることに。
お昼時というのもあって、僕らが入ったレストランは大にぎわいだった。
このレストラン、国内・外から観光客が訪れる有名店なのだそう。

初の本場台湾料理体験だったけれど、美味しいのはもちろん、とにかくお皿が次から次に出てくる(笑)。

僕は食べたことも見たこともないのが出てくると、とりあえず食べずにいられない性分なので、つい食べ過ぎてしまった。

一番右からチチさん、アンさん

今回は農園視察より食べ歩きの旅になりそうだ・・。。

そのあと、僕のわがままで、「台中国家歌劇院(オペラハウス)」へ寄ってもらう。



日本人建築家の伊藤豊男雄氏が設計したそうで、近未来的なフォルムが愉しい。

屋上の高層マンションに囲まれた空中庭園も不思議と「緑」と「都市」がうまく融合していて、時代は「機能」から「官能」へと移行しつつあるんだなぁ、と感じた。


コーヒーを飲みに台中のコーヒーショップ「葉店」へ。




店内の雰囲気が、日本の喫茶店に近いなと思った。
気の優しそうな、でも珈琲にはこだわり強そうな店主がいて。
クラシック音楽が流れていて。


ここの店主の方は、先日福岡へ旅行に行っていたらしく、話も盛り上がった。

そして「もういいです」と言いたくなるほど次から次へとコーヒーを淹れてくれた。

お店を出ると、もう夕陽が道路に差し込んでいた。

市場で買い物をしている人や、バイクを走らせる人が、まるで夕暮れ時を待っていたかのように突然どこからか現れ、街はどんどん活気で満たされていった。

台湾ではスクーターに乗っている人がやたら多く、お母さんが運転するスクーターの後部席に3歳くらいの子が乗っていて、お母さんの背中にガシッとしがみついているその姿がたくましく見えた。

さらに車を走らせ、この日に宿泊する街「Chiayi」に着いた時には辺りはすでに真っ暗だった。



夕食の前に「秘氏珈琲(Secret Coffee)」というお店へお立ち寄り。


小津安二郎の映画「東京物語」にインスパイアされて設計された空間らしく、ノスタルジックで、畳もあり、タイムスリップしたような気分になる。


ここで、深煎りのドリップコーヒー、お酒、台湾茶を頂いた。


この後、ナイトマーケットをぶらついて、Toshiのリクエストである「Smart Fish」というものを夕食でごちそうになった。






魚の頭を丸揚げしたものと野菜や白みそなどを大きな鍋で煮込みまくった、旨味のつまった味だった。
お腹いっぱい・・・。台湾、ご飯美味しくて安くて最高だなぁ。

翌朝。

Taroが「I♡Taiwan」のシャツを着ていることに驚きを隠せない僕たちであったが、気を取り直し、コーヒー農園のある阿里山へと向かった。

急でくねくねした山道をどんどん登っていき、やがてコーヒー畑が眼下に望めるようになってきた。

景色の壮大さに、僕らの気分は高まっていく。

農園に着くと、農園主であるファンさんが彼の経営しているカフェへ案内してくれた。

ここで、しばらく休憩がてらファンさんの農園について、お話を伺った。



彼が作成した資料を見て驚いた。

細かな数値が月ごとに書かれた資料は、「どの栄養素を、どのタイミングで、どの品種に与えると吸収率がどれくらい高いのか」をあらわしている。

この作業を徹底的にやることで、無駄なく効果的に肥料を与え、木の生長を促すことができるのだそう。

また、沖縄と同じく台湾でも台風が農業に大きな影響を与えているのだけれど、ファンさんの農園では一本一本の木に鉄の棒をあて補強することで、影響を最小限にとどめているということだった。

お店を出て、トラックの荷台に乗り農園へ向かう。



茶畑とコーヒー畑が混在する台湾の農園風景は、見慣れた中米のそれとはまた違って新鮮で、どこか懐かしさを感じるものだった。


農園ではファンさんがゲイシャ種やブルボン種など、それぞれ丁寧に説明してくれた。
コーヒーチェリーを初めて食べるBASKINGの皆はテンション爆上がり。


ファンさん曰く、「木は剪定さえしっかりしていれば、歳をとればとるほど味は良くなるんです。加齢にともない根が伸びていくことでより多くの養分を吸収できるようになりますから。」

植物ってすごいよなぁと感心せずにいられない。


僕も歳をとればとるほど良い味出していきたいですね。

次は生産処理の現場を見せてもらう。



ファンさんが行っているプロセスはナチュラル、ウォッシュト、ハニー。


中米ではよく見かける精製機械だが、台湾ではなかなか手に入らないそうで、なんとDIYしているとのこと。輸入するととんでもなく高くなるらしい。

台湾は島なので、地形的に切り離されていて、しかも面積も小さい(=商業規模が小さい)というのは、そういった面でも世界のマーケットで不利になる。

さらに、台湾は雨も多いので、ファンさんは自然乾燥を全くせずに100%ドラム式のドライングマシンで乾燥行程を行っているとのこと。

ここでも、ファンさんはその不利な条件を逆手にとって、豆の状態に合わせてベストな乾燥パターンをデータ化・分析し、自然乾燥よりもクオリティの高い豆を仕上げることに成功した。

「エチオピアのように圧倒的にコーヒー栽培に適した環境があるわけでもない、中米のように最先端のテクニックや設備があるわけでもない。台湾産のコーヒーを選んでもらうために、科学的なアプローチによって他に負けないくらいの特徴を持ったフレーバーを作り出すしか、私たちには生き残る道がないのです。」


鋭い眼光を持ちながら、人懐っこい笑顔も時折見せるファンさんは、そんな風なことを僕たちに身振り手振りを交えて語ってくれた。




その後実際にカッピング。



ゲイシャ種のウォッシュト、ナチュラルなどが並ぶ中で、一番良かったのは意外にもティピカ種のウォッシュトだった。

後で聞いた所によると、このカップのティピカ種の木は22歳と最高齢。

なるほどー。さっきの農園での話を、身体で納得できた。

カッピングはディスカッションが大いに盛り上がり、気がつけばお昼の3時を過ぎていた。

ファンさんにお礼を言って、農園を後にした。


遅めの昼食を頂いたあと、(ビールも飲んだ)一行は台北へ。

中間地点の台中の街に着いたころには、辺りは真っ暗になっていた。

急いだ方がいいのかな?と思っていたら、ドライバーのティムが、「ビンロウやる?」と。

ビンロウとは、台湾ではどこでも売っている、噛みタバコみたいなもの。合法ではあるが、軽い陶酔感、覚醒作用があり、ティムは居眠り防止で、時々運転中に噛んでいるらしい。

もちろんやろうよ。と言っていたら、ティムが無駄のない動きでセクシーな格好したお姉さんからビンロウを買ってきた。
台湾では露出度の高い女性がビンロウを売っているというのを聞いたことはあったが、よく考えたら意味がよくわからない。

みんなで一気に口に入れてみる。

むっ!かなりまずい。

カメムシを食べているような気分になってきた。

しばらく噛んでみるけれど、結局、後になっても誰も何も変化を感じなかった。

ティムだけはやたらテンションが高くなっていたが。ちょっとだけイラッとした。

左:ティム 右:チアイー





楽しいビンロウタイムにより、大幅に時間が押してしまい、台北に着いたのは夜の10時。
それでも街は賑やかで、都会に来たなと実感した。

ここでティム、チチ、アン、チアイーらとお別れ。

本当に彼らのお陰で、農園でも貴重な生の話が聞けたし、行く先々で美味しいご飯にもありつけた。充実しすぎたと言ってもいいくらいだ。本当にありがとう。

ホテルにチェックインし、僕らは達也さんの念願である台湾スイーツ「豆花(トウファ)」を求め、夜の街に繰り出した・・・(元気だな)

最終日。

14時までは飛行機の時間があったので、朝から街を探索。




朝ごはんは近くの食堂で豆乳のスープと小籠包を食べる。
地元の人も朝から小籠包食べていたのが意外だった。




「SIMPLE KAFFA」という、台湾でも有名なコーヒーショップへ。

広々とした店内で、洗練された空気感。
2Fにもカフェスペースがあり、贅沢な空間だ。




コーヒーを注文してしばらくするとオーナーさんがご家族でお見えになった。

ここのオーナーさんは2016年のWBC(ワールドバリスタチャンピオンシップ)で見事優勝を果たしている。
何やら、今からスタッフのブルーイングテストをやるから見ていきなよ的な雰囲気になり、僕たちは厚かましくも、折角の機会なのでのぞかせてもらうことに。

ブルーイングテストの内容は、6種類の異なる焙煎度合いのコーヒーを、3杯ずつ2回に分けて抽出するというもの。
制限時間内に、レシピ通りにこなし、適正にフレーバーを出せているかチェックされる。



焙煎度合いに応じたレシピがあり、1回の抽出で3パターンの温度の湯を使い分けていた。

オーナーさんの話によると、まず蒸らしは高温度で行うことでフレーバーとアロマを引き出し、次の少し低めの湯でボディ、最後はさらに低めの湯でアフターと甘さを調整するということだった。

見ている方ですらどれがどれだかわからなくなるような複雑な作業を淡々とこなしていて、出来上がったカップも飲ませてもらったけれど、美味しかった。

滅多にない機会に立ち会えてよかった。
いやー、今回の旅、いろいろ巡り合わせが良い!

もう少し時間があったので、達也さんのリクエスト、本屋とコーヒーショップが一緒になった「Pon Ding」へ。




そんでその後はタロウが調べてくれたクラフトビールの「61note」。



それからチチさんの経営する「AURA珈琲」へ行き、アンとチアイーもいたので時間ぎりぎりまで皆と話しながらコーヒーを飲んだ。


お店は忙しそうだったけれど最後まで僕らを気にかけてくれ、おもてなししてくれる3人。
彼らが日本へ来たときは色々案内したいな。


「AURA珈琲」を後にし、タクシーで空港へ向いながら、僕たち4人は今回の旅について口々に語った。

2泊3日と短い期間だったけれど、行きたいところも行けて、皆満足そうだった。


台湾ありがと!
本当、近くてびっくり。













2019年5月26日日曜日

BRAZIL旅日記・完結編【オークション&フォトギャラリ】

いよいよ、オークション当日。

朝食を終えると、僕らはいつものカッピング会場に集合した。

フィリップの説明によると、この日は最後に確認のためもう一度カップが準備され、カッピングしながらオークションを行うとのことだった。

この日はオークションロットを提出したすべての生産者たちが来場していた。
彼らは会場の中に入れないため、会場の外で待機。
窓越しにカップが並ぶテーブルにお湯が注がれていくのを緊張の面持ちで見つめている。

これまで時間を共にしてきた他のバイヤー達とも、今日は朝からほとんど会話をしていない。静寂の中、豆を挽く音だけが会場内で響き渡っていた。






それぞれのカップ(計23カップ)の隣に、バインダーに挟まれた用紙があった。その用紙には、豆の情報と、会社名を書く欄、金額を書く欄がある。

事前に伝えられたオークションのルールは、

1. 欲しい豆があれば用紙に会社名と金額を記入する

2. 複数記入しても良い。

3. すでに記入されているときは、その下にそれ以上の金額を記入する。

4. オークション終了時に一番下に記入されてある(つまり最も高値をつけた)会社がそ
のロットを落札できる。

6. 落札できるのは1人1ロットのみ。

7. 落札した人は、その時点で他のロットの用紙から会社名を除外される。

ざっくり説明するとこんな感じ。

ちなみに1ポンド15ドルからのスタート。
これがいったいどこまで上がっていくのか。

「では、開始します!」

皆の様子をうかがっていても仕方がないので、僕はとりあえず、点数を高くつけた上位4ロットに「BASKING COFFEE、16$」と記入して回った。

カナダ人のバイヤーが一つのロットの前に立ち、「俺はこのコーヒーが大好きだ。これはもはや俺のだ!誰もビットしないでくれ!!」と叫んでいた。

そんな無茶な。

もちろん誰も彼の言うことなど聞く耳持たず、最終的にそのロットは52ドルまで値があがることになる。そのカナダ人は割と早い段階でドロップした(笑)。



10分経過。

徐々に用紙には書き殴られた社名が連なっていく。

15ドルだったコーヒーがわずか数分で、30ドル、40ドルとなっていく。

皆が好むコーヒーはやっぱり似てくるようで、僕が高く評価した豆はどんどん値があがっていった。
ひたすら一途に一つの豆を追いかけ続けるか、それとも競争を避け、大穴を狙うか・・・。

他のバイヤーに「どの豆狙ってんの?」と聞いても、本音は聞き出せるわけもない。皆がそれぞれに思惑があり、心理的な駆け引きが続く。

後半になっても全くビットしないバイヤー。全く躊躇することなく一つの豆にビットし続けるバイヤー。

ぞくぞくするような心理戦だ。じっとりとした汗がシャツにまとわりつき始めた。





最終的に僕は2つのロットに的を絞った。

一つは、もともと点数を高くつけていたナチュラルプロセスのロットで、再度カップを確認してもやっぱり卓越した何かがあった。

もう一つは事前のカッピングではあまり目立たなかったハニープロセスの豆だ。きっと他の豆に比べどちらかというと地味なフレーバーだからだろう。
値がそこまであがっていない。だけど注意深くカップをとってみると、とてもクリーンだし、酸もきれいだ。

この2つのカップを行き来しながら用紙を確認する。そのうちに、どちらも他のバイヤーとの一騎打ちになった。

僕がビットし、一回りして戻ってくるとまた相手もビットしている。

その繰り返しが何度か続いた後、僕はあることに気付いた。

僕がビットしているナチュラルプロセスのロットを競っているのはボストンの「Sparrow Coffee」のクリス。彼は別に本命があって、そちらのロットでは他の追随を許さず、最高値を彼が常にキープしていた。(そのロットはなんと52$まで価格があがっていた)

時間切れまではあと少しだ。
このまま進めば、彼が52$まで値のついたロットの方を落札することになり、オークションから抜けることになる。
そうすれば、自動的にこのロットを落札できるのは僕になる。

よし(笑)。

いやしかしまだ安心はできない。
万が一クリスが本命のロットで競り負けると、クリスは僕と競っている方のロットを獲得することになる。

頑張れクリス(笑)。

僕はそのロットが手に入らなかった時のため、もう一つのハニープロセスのロットも引き続きビットすることにした。こちらのロットではニューヨークのロースター、ジョンと競り合っている。

ジョンがビットしたのを確認すると、すかさず僕もビット。

クリスと競っているのと比べると、こちらはまだ価格は上がっていないので、気軽にビットできてしまう。

突然のライバル登場に焦るジョン。

僕がビットすると遠くで「Shit!」と聞こえる。
そちらをぱっと見ると紳士的な笑顔のジョン。

これが2、3回繰り返された。

・・・そしてついにタイムアップ!

クリスは無事に本命のロットを52$で落札。今回のオークションの中で2番目の高値だそう。
クリスがオークションから抜け、作戦通り僕はナチュラルプロセスのロットを42$で、落札することができた。

決して安くはないけれど、納得のいくものが落札できたと思う。張りつめていた糸がようやく緩まった気がした。

他のバイヤー達も、欲しいものが手に入った人もそうでない人もいたようだけれど、今回のメインイベントが終わって安堵した様子。



オークション落札者の名前があがる度に拍手が起こった。



今回のオークション用の豆を焼いてくれた人や、準備に奔走してくれた人たち。ありがとうございます。

別会場に移り、落札したバイヤーと、生産者との記念撮影。


こういうのってすごいことだよなぁ、とつくづく思う。

世界中からバイヤーが集まってきて、自分達が偽りなく欲しいと思ったコーヒー豆を、直接生産者から受け渡してもらう。

コーヒーを通じて、まさに人と人が繋がる瞬間。

そして、ここで受け渡されたコーヒーは海を越え、想いを込めて焙煎され、たくさんの人たちに手渡されていく。ストーリーとともに。

そんなイメージが雲のように広がって、鳥肌が立たずにはいられなかった。

記念撮影が終わると、僕は生産者といくつかの言葉を交わし、(英語が全く通じない)「また会いましょう」と握手をして別れた。

***

このオークションが終わった後、僕たちはバスに乗って、リオデジャネイロへと向かいました。2日間の観光。
記憶がだいぶ薄まってきているので、詳細は書くのは省きますが、一言で言うと「最高」でした。

写真を撮って頂いたので、良かったらご覧ください。

〜BRAZIL滞在 フォトギャラリ〜

サンパウロ

このお店では、セルフでエスプレッソを淹れることができる。

ナビゲータの女性とバイヤーの人たち。

何かを眺めるカリオモンズの伊藤さん。



とあるカフェにて。

目の前で抽出してくれる。

カッピング中。
カパラオ


カリブレーション中。


BSCAのスタッフの皆さん。




カッピング後に行われたプレゼンテーション。

農園にて。








ディナータイム前にプレゼン始める農園主たち。





農園内にあるカフェでコーヒー淹れました。

農園主たち。

農園主たち。



オークションが終わって。

リオデジャネイロ

モール内にあるコーヒーショップ。


けつ。

けつ2



リオのカフェにて。




FIN.