2019年12月20日金曜日

「Guatemala Coffee Talk」のレポート

先日、Stereo CoffeeさんとBASKING COFFEEの2カ所で、「Guatemala Coffee Talk」
というトークイベントを開催しました。

ことの始まりは、カルロスさんとの出会いから。

カルロスさんは、グァテマラの小規模農家生産者団体「Good Coffee Farms」の代表を務め、日本を拠点にサスティナブルなコーヒー生産をサポートしています。

そんなカルロスさんが以前、福岡に来てカッピング会が開かれました。

僕はそれには参加できなかったのですが、その前夜、天神の街をBASKINGの皆でぶらついていたら、偶然Toshiが彼を発見。その時に少しお互いの話をしました。

「自転車を使って水を使わずにコーヒーの実をディパルプする方法を考えついて、それで作ったコーヒーを販売しています。」

「水を使わないから汚染水は川に流れていかないし、電気やガソリンも使わないからCO2ゼロプロセスなんだ。」

とカルロスさん。

面白いなぁ、と思い、

「あなたの豆を購入したらその農園に行って農園主に会わせてくれますか?」

と聞くと「オフコース!」との答えが。

続けて「じゃあ、サンプル送るからカッピングして感想聞かせて。」

こうして僕たちは繋がりました。

届いたサンプルは予想以上にクオリティが高かった。

どれも共通しているのが非常にクリーンでとても甘い。

僕たちはサンプルNo.4の「Las Brisas農園 100%パカス」
をロットで購入することになりました。

その後カルロスさんから電話があり、12月にまた来福するとのことだったので、

(じゃあ、カルロスさんを招いてトークイベントをやろう!
せっかくだからこのコーヒーについてお客さんにも知ってもらいたい。)

と想い、今回のような経緯に至ったわけです。

さて、当日は平日にもかかわらず満員御礼。

カルロスさんが持ってきた動画やPDG資料をプロジェクターで観ながら、カルロスさんの熱いプレゼンテーションがはじまりました。


カルロスさんは20年日本住んでいるので、流暢な日本語で話してくれます。

話の中心にあったのは、「サスティナビリティ」。

カルロスさんは、大規模農園がウェットミル(精製所)でウォッシュトを作る際に使用する汚染水が川に流される光景を見て、「ドライ・バイシクル・パルピング」という方法を考えつきます。

その方法とは、自転車を動力としてコーヒーの実をはぎ取る、というものです。
従来のように大量の水を使わず、汚染水も川に流されない上、電力・ガスも消費しません。

また、現状では大規模農園が使っているようなウェットミルはあまりに高価で、小規模農家では買うことが出来ないため、ほとんどの場合、彼らのコーヒー豆は一つのミルに集約されることとなります。(その時点でトレサビリティも失われます)

しかし、より安価な自転車であれば、小規模農園でも簡単にではないですが購入できますし、かつGood Coffee Farmsに所属することで品質の高いコーヒーを生産できて収入も得ることができます。

これは小規模農家にとって革新的なことではないでしょうか。

もちろん、そのためには、小規模農家さんには今まで以上に自分の頭で考え、向上していくための努力が必要になってきます。

そこで、カルロスさんは日本の働き方を取り入れ、朝礼をしたり、ルールを明確にしたり、白い制服の着用を義務づけたりしてワーカーの士気を高めているそうです。

合い言葉は日本語の「頑張りましょう!」だそう。

改めてこのGood Coffee Farmsの農園をこの目で見てみたい、と思いました。








***

コーヒー屋としての僕の役割は何だろう。

突き詰めるとそれは、「美味しいコーヒーをお客さんに届け続けること」だと思います。

そのためには生産者としっかり繋がって、協力しあっていく必要があります。

情熱はあるけれど、美味しいコーヒーを作る方法がわからない農園主がいるなら一緒に考えればいい。

生産者が安心してコーヒー生産に投資できないでいるのなら、同じ覚悟を持って、毎年コーヒーを彼らから買い続けていけばいい。

でも、もっと大きな視点で見ると、サスティナブルな仕組みがないとそもそも美味しいコーヒーが作れなくなるかも知れない。

たとえば地球環境の変化とか、大規模農園による寡占とか、政治・経済の急変とか。

地球環境については複雑な要因が多すぎて、正直僕には何が正解なのかわからないところがたくさんあるけれど、こういった問題って別に「社会的意義」みたいな高尚な話ではなく、身近でリアルな話だな、と思います。

ミクロな視点だけでなく、マクロな視点で今起こっていることをとらえて、行動していかないと。(間違えるかもだけど)

そこをふまえた上で、僕は楽しく、コーヒー屋を続けていきたい。


トークイベント後はお客さんもまじえてカルロスさんと食事へ。


日本酒が大好きなカルロスさん、喜んでくれた?ようです。

Good Coffee Farms のグァテマラ「Las Brisas農園」オンラインショップでも販売してます。
地域 ニューオリエンテ・コリス・ハラパ
品種100%パカス
標高 1750~1850m
コーヒーチェリー糖度 20%Bx




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