それまで、バックパッカーとして海外を転々としていた僕は、「日本と海外を行き来できる仕事がしたいなあ」と漠然と考えていました。
ある時、コーヒーの産地のほとんどが中南米やアフリカだと知り、
「それなら、コーヒー屋をすればコーヒー豆の買い付けを理由に海外に行けるぜい」という安易な発想から、コーヒー屋を目指すことになります。
その後、なんの幸運だかコーヒーの経験がゼロだったのにハニー珈琲で働かせてもらえることになりました。
ハニー珈琲で働き始めて3年近くが経ち、コーヒーについての知識と理解が深まってきた時、「産地を訪問したい」という想いが強くなってきました。
また、その理由も当初よりもはっきりとした輪郭を持つようになっていきました。
『
コーヒーを知るには、抽出、焙煎だけじゃなく、“農産物”としてのコーヒーにも目を向けなければ。
本来、赤いフルーツであるコーヒーが、どのように作られ、どのような人たちによって、職場でいつも見ている、この「生豆」へと変わるのか。
その過程をこの眼で実際に見て、いつか開く自分のお店に来てくれる人たちに伝えたい。
生産者と消費者の距離をもっと縮めたい。
コーヒーとは、生産者と焙煎人の共同創作物なんだ。
いや、もっと言えば、自然と人間の共同創作物だ。
こんなに人に感動や驚きを与えることのできる「コーヒー」が、カップに届くまでの全てのプロセスを、体感を持って知りたい。そして、伝えていきたい。
』
こんな想いが、溢れ出てきました。
そして2012年に僕はハニー珈琲を退職し、中南米へ渡ります。
その時の想いは今にいたるまで全くぶれることなく、決して消えない炎のように、静かに、しかし力強く心の中に燃え続けています。
直接買い付けにいくことは、決して生豆の原価を下げることに繋がるわけではありません。
むしろ、少量しか買わないのであれば、渡航費や現地での旅費なども考えると、原価は上がってしまうでしょう。
しかも、現地では美味しいと思って買ったものが、いざ届くと味が変わっていたり(1年分買ったのに・・・)。そんなリスクもあります。
まあ、あまり経営上効率的とは言いがたく(笑)。
それでも、産地まで足を運ぶことを、やはり僕はこれからもやめないだろうと思います。
ではコスタリカに行ってきます!
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