2017年4月29日土曜日

水出し珈琲の検証

暖かい日が続いています。
もう、すっかり初夏ですね。あの寒かった冬はどこへ行ったのやら。
お店でも、アイスコーヒーをご注文される方も増えてきました。

さて、先日水出し珈琲を検証しましたので、こちらに記しておきます。

【水出し珈琲による水の温度、時間、挽き目による味の出方の違い】

使用した豆:スピカ50g(水出し珈琲の「BLUE」)

(本来なら、全ての条件を変えて何通りもやってみないと、本当の意味での検証とは言えないかも知れませんが、今回はとりあえず、当店で販売している水出し珈琲のレシピと、それから温度や挽き目の少し変えたものと、4パターン作りました。)

①水の温度 20℃(常温)
 挽き目 EK43(当店のミル)で3番
 冷蔵庫に入れて24時間

②水の温度 30℃
    挽き目 EK43で3番
    常温で16時間

③水の温度 40℃
    挽き目 EK43で3番
    常温で8時間

④水の温度 40℃
    挽き目 EK43で2.5番(3番より細かい)
 常温で6時間




浸け置く時間が違うのは、それぞれ違う条件で作ったコーヒーが、同じ濃度になるまで浸け置いたからです。

・・・さて、どう違いが出たか。

①・・・

見た目は、他のものに比べて透明感がある(濁りがない)。口に含むと、やはり透明感を感じる。質感は「水」に最も近い。だけど「薄い」というわけではなくて、複雑な風味、酸味を感じる。フレッシュラズベリー。また鼻腔から抜けていく香りが上品。

②・・・

「冷蔵」と「常温」だと味の出方がこんなにというくらい違うのが分かる。
旨味をより感じる。出汁。ナッツ感。(スピカにはブラジルが入っているからか?)雑味があるわけではないが、酸味がほとんどないので麦茶っぽいかも?

③・・・②よりさらに旨味を感じる。質感がクリーミー。長く続く余韻。ブルーベリージャムのような甘さ。

④・・・①〜④の中で最も甘味が出ている。フルーティな感じはあまり出ていない。③と④を比べると③のフルーティさが際立つ。ダークチョコ。ホットで作るコーヒーに近い味わい。


【大ざっぱな結論】

低い温度の抽出
→雑味出にくい。酸味でやすい。時間がかかる。

温水での抽出
→旨味出やすい。質感が強くなる。温度が上がりすぎると雑味が出そう。酸味が出にくい。時間はかからない。

挽き目による変化
→細かいほうが甘みを感じやすい。(低い温度であれば細かすぎることによる雑味のリスクはあまりない)粗くなると酸味がでやすい(豆によっては果実味をより引き出せそう)


【当店のおすすめレシピ】

1.1L入る容器に、水だしパックを1つ入れ、40℃のぬるま湯を1L注ぐ。

2.常温で、810時間おく。(温度変化の少ない場所)


3.少し飲んでみて、ちょうどいい濃さならパックを取り出して冷蔵庫へ。
(濃度を変えたい時は次回から1時間前後させる)

上記4つの中で言うと③ですね。
①もクリアで美味しいけれど、時間かかりすぎっしょ、てことで・・・。
③だと寝る前に仕込んで翌朝には完成!なのでわかりやすいですし。

ただ、今回の検証結果はあくまで「スピカ」での結果です。
豆が変わると、結果も当然変わってくるでしょう。


*ちなみにご自宅で豆から挽いて水出しを作る場合、かなり細かく挽いてあげないと味が出てきません。挽き目の調整で迷ったら、お店で尋ねてみてくださいね。


オンラインでもお買い上げ頂けます。
BASKING COFFEEオンラインショップ☞http://baskingcoffee.shop-pro.jp
水出し珈琲【RED】





2017年4月15日土曜日

新登場のコーヒー!

本日より、エルサルバドルの「フィンカ・ヒマラヤ」の販売を開始しています!









 こちらは『スーパーソニック』というニックネームを持ち、
その由来は生豆になるまでのプロセスにあります。

こちらのコーヒーは、3つの農園のコーヒーを果実の段階でブレンドしてつくられています。
その3つの農園のコーヒーは、同じエリアで、ほぼ同じ標高で収穫されたものですが、品種も違う為、それぞれ異なるフレーバーを持っています。
それらをブレンドする事で、より複雑な味わい、また新たなフレーバーを生み出せることがあるようです。
また、乾燥の仕方も、ゆっくりと時間をかけて水分を抜いてくやり方で、かなりユニークな方法。

クリーンでありながら、芳醇な香り、強いボディを感じ、赤ワインを思わせるフレーバーも感じます。

先日、農園を訪問した際に、こんな風に、色々な可能性について妄想していたところだったので、僕自身も非常に興味を持ってこのコーヒーを楽しんでいます。

以前販売していたインドネシアの「ワハナ・ラスナ」に少し通じる、独特なワイニーな
コーヒーですね。

今年の『赤』の水出しコーヒーは、これを使おうかなぁ。

*こちらは少量のみの販売となりますので、お買い求めはお早めにどうぞ〜。

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2017年4月8日土曜日

ミルクとの相性

 当店で使用しているエスプレッソ用の豆は、たまにシングルオリジンの豆も使用しますが、基本的には「スピカ」というブレンドを使用しています。

「スピカ」のブレンドコンセプトは、「毎日ブラックで飲んでも飽きのこない、バランスのよいコーヒー」。
なんですが、実を言うともう一つあって、それは「ミルクとの相性が良い」です。

当店では、カプチーノやアイスラテなどのミルクビバレッジを提供することが多いので、エスプレッソの豆について考えたときに、やはりミルクとの相性が重要だと思ったんです。

僕の考えですが、コーヒーの個性にも色々あって、「エスプレッソ単体のほうが美味しい豆」と、「ミルクと合わせたときの方が美味しい豆」っていうのがあるんじゃないかなと思っています。

ということで今回、再確認を兼ねての「エスプレッソとミルクのバランスの検証」をやってみました。




左から、「グァテマラ・エルソコロ」、「ブレンド・DAY LIGHT」、「ケニア・ングルエリ」、「ブラジル・モンテアレグレ」、「エチオピア・アリチャ」、「エルサルバドル・シェキナ」「ブレンド・ミシェル」、「ブレンド・スピカ」。

それぞれEK-43でエスプレッソを抽出し、約40ccの牛乳を加えました。
以下、印象です。


「グァテマラ・エルソコロ」・・・後口にミルクチョコ、すっきりした感じ。

「ブレンド・DAY LIGHT」・・・厚みのある感じ。バランス良し。酸味をやや感じる。クリーミィ。

「ケニア・ングルエリ」・・酸味が少し強く感じる。オレンジ。豆自体の味の主張強い。ヨーグルト。

「ブラジル・モンテアレグレ」・・・甘い。はちみつ、ナッツを感じる。ミルクキャラメルのような甘さ。

「エチオピア・アリチャ」・・・複雑な風味、とらえどころのない感じ。フルーチェ。ミルクティーのような。ハイビスカス。シルキー。

「エルサルバドル・シェキナ」・・・これもバランス良い。明るい酸を感じるけど違和感ない感じ。フローラル。エレガントな口当たり。

「ブレンド・ミシェル」・・・豆自体の味の主張強い。ビター。ロースティ。

「ブレンド・スピカ」・・・いつもの味。バランス良し。ナッティ、ミルクチョコ、クリーミィ。はちみつ。ほのかにりんご酸。

結論として、やはり「ミルクとの相性」という点から考えると、スピカがいいかな。(まあ、その目的で作りましたから当然と言えば当然か)

新しい発見としては、ブラジルも良かったですね。おお、というような、ブラジルの意外な一面を見て、惚れ直したって感じです。

あと、ケニアは・・・いや、この子は素晴らしいコーヒーなんですよ。ただミルクとの相性は、ちょっと、難しいかな。
ケニアのミルクビバレッジを美味しく淹れれるとしたら、それは技術だと思います。

ケニアはスーパープレーヤーなんだけど、我が強くてチームワークには不得意、ブラジルは普段大人しいけど結構頼れるやつで、アシストがやたらうまい、
みたいな(笑)

要は、みんな違ってみんな良いということですかね(笑)

カフェラテやカプチーノを作るときはエスプレッソとミルクと泡の割合によっても味の印象が変わってきますので、そのあたりも今度書いてみようかな。(この辺の検証は開業前にやってますが再確認)
***

BASKING COFFEEではミルクと合わせたときの相性も考えた上で、「ブレンド・スピカ」を使っています。

もし、シングルオリジンのエスプレッソがお飲みになりたいときは、EK43グラインダーを使って+100円でご提供していますので、スタッフにおすすめを聞いてみてくださいね。