日本からメキシコまで飛行機で行き、そこから陸路で最初の目的地であるグァテマラに入国した。
なぜ日本からグァテマラまで空路で行かなかったかというと、メキシコから陸路で行った方が50$くらい安かったから。
これがバックパッカー的(時間はあるが金がない)発想なのである。
無事に入国した僕は、サンペドロ・ラ・ラグーナという町を目指した。
「この町でグァテマラ人からマンツーマンでスペイン語を格安で学べる」という情報を僕は入手していたのだ。
町に着くと、(まるでロールプレイングゲームみたいに)早速何人かに聞き込みをはじめ、なんとなく良い人そうな先生と巡り会えた。
僕より少しばかり年上の、シャツのボタンを外して敢えて胸毛をのぞかせるタイプの男だ。彼は流暢な英語で「1週間で50$でいいですよ。」と言った。
確かに安い。
「じゃあ明日から始めましょう。」とお別れし、今日のミッションを終わらせた僕は町を探索てみた。町の雰囲気もなかなかいい。石畳の坂道や、色とりどりの家並みが見ていて楽しい。そして、ここには有名なアティトラン湖という美しい湖があり、それを町のどの場所からでも眺めることができた。
僕はすぐにこの町を気に入った。
翌日からは基本的に同じ様な日々をこなした。
まず、朝はホテルのベランダでアティトラン湖を眺めながら自分で淹れたコーヒーを飲み、10時から13時までマンツーマンでスペイン語の会話レッスン。
近くの食堂で昼ご飯を食べて、町をぶらついた後、ホテルのベランダで野鳥を観察。(ここにはいろんな種類のカラフルな野鳥がいたのだ。)
夕方は近くの食堂で夕飯とビールを飲み、読書。寝る前にフランスにいる妻と1時間ほどスカイプで話して11時頃には就寝。
あっという間に2週間が経ち、アルトゥーロさんとの約束の日が来たので、ホテルをチェックアウト。
最後の夜はスペイン語の先生と飲みに出かけた。
プライベートの時の彼は、雰囲気が少し違っていて、クールで寡黙だった。酔いがまわるにつれ、彼は人生の儚さについて、過去の恋人のことについて、ラテンの人らしく感情的に語った。そして彼は当たり前のように僕に飲み代を払わせた。
まぁいいんだけど。
翌日、僕はローカルバスに乗りアルトゥーロさんの農園のあるウエウエテナンゴへと向かった。
ホテルのベランダから見えるアティトラン湖。 |
続く