しばらく更新してませんでしたが、コーヒーの旅、続編です。
前回までのあらすじ
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グァテマラを発ち、僕はボストンへ向かった。そこで行われる世界最大のスペシャルティコーヒーの祭典「SCAA」に参加するためだった。
ちょうど到着した翌日、世界的ニュースにもなったボストン・マラソン爆破テロ事件が起こり、街は少しピリピリとした雰囲気が漂っていた。
ボストンの滞在前半は、街のコーヒーショップを巡った。
有名な「George
Howel Coffee」で飲んだエチオピアのコーヒーが凄まじく美味しく、冷えた身体に染み渡ったのを今も覚えている。
日本でも毎年ビッグサイトでSCAJが開催されているが、それと比較しても規模が桁違いに大きく、何度も迷子になった。大人なのに。
SCAA内で見たものは、数年後になってようやく日本でお披露目されるような最先端のコーヒー抽出器具、マシンで、すべてが新鮮で僕は興奮しっぱなしだった。
この時点で、ボストンの後コスタリカへ行くことが決まっていた僕であったが、実は農園のつてが全くなかった。
僕は「今しかない」と思い、SCAA内のコスタリカのブースへ行き、(SCAAでは世界中から生産国の農園主や輸出業者が集まる)そこらにいた農園主に「あの、来週コスタリカ行くのだけれど、あなたの農園を見に行ってもいいか?」と直談判した。
すると快く「ぜひ来てくれ!」と返事を頂き、名刺交換に成功。
コスタリカに着くと、まずは首都サンホセに滞在することにした。
宿は決めていなかったので、ひたすら歩き回っていると、「Van
Gogh」というゲストハウスを発見。名前が良い。しばらくはここで寝泊まりすることにした。
「Van
Gogh」では2人組のスウェーデン人の若者と仲良くなった。マークとフィリップ。
最初ゲイカップルかな、と思っていたが、違うことが後でわかった。
ある時、「Van
Gogh」近くでファーマーズマーケットが開催されているとの情報を得、3人で遊び行くことにした。
オーガニックの野菜や、チョコレート、蜂蜜など、美味しそうなものや面白そうなもので賑わっていた。音楽隊もいる。
出店している人たちの中に、ひときわ目立っている人がいた。それは60歳くらいの日本人のおばちゃんだった。
そう、それがあの「和子」との出会いだったのです(誰やねん)。
コスタリカで、しかも観光地ではなく、地元民が買い物に来るようなところで日本人に出会うことはかなり珍しかったらしく、和子は激しく興奮していた。
つばを飛ばしながら大きな声でしゃべり続ける和子に、マークとフィリップはびっくりしていた。怯えているようにも見えた。
彼女はこのマーケットで、自分の畑で育てた野菜からぬか漬けや味噌を作り、発酵食品の店として出店しているとのことだった。
コスタリカはオーガニック食品に対する意識が高い人が多いらしい。
和子は自分のつばを拭いながら僕にこう言った。
「あんたさぁ、この旅でろくなもん食べてないんでしょう。私たちの家に来なさいよ。美味しい日本のご飯たべさせてあげるから」
僕は即答した。
「あ、行きます」
そして僕はスウェーデン人の2人と別れを告げ、ホステルをチェックアウトし、和子の家へ向かった。(スウェーデン人のフィリップは後にまた登場します)