BASKING COFFEEは現在、千早店、広島宇品店、春日原店の3店舗を構えています。
そのうちのいくつかの店舗に行かれた方は、同じBASKING COFFEEでもそれぞれの店舗に違った個性や雰囲気を感じられたかも知れません。
各店舗によって内装、ブレンドの種類、パッケージデザイン、ドリンクメニューは、実際それぞれ違っていて、チェーン店のような統一感はあまりないと思います。
このやり方は、生産性を最大化するという意味ではあまりいい方法ではないように思えますよね。ブランディングや規模の経済によって得られるはずのメリットをかなり失うことになるので。
では、なぜこのようなやり方で店舗展開を行うのか?
まず第一に、「BASKING COFFEEで働く人たちが仕事を楽しめ、能力を発揮できる環境を作りたい」というのがあります。
トップダウンで指示が与えられ、マニュアル通りに作業をこなすようになってしまったら、その人の本来持っている能力も限られてしまいます。
自分で考え、創意工夫する余地がある。
自分のアイデアや意見が(チームメンバーが納得できれば)お店に取り入れられるという感覚がある。
その方が、お客様から喜ばれた時嬉しいし、自分の仕事に誇りを持てる。
という風に考えるからです。
もちろん、これは自分で考えたくない人にとってはつらい環境かもしれません。「常に自分で考えて行動する」というのは、ある種の人には酷な事でもあるので…
第二に、コーヒー屋をやる上で、そもそも僕はファストフード店やコンビニのような画一的コピペ店舗展開などをやることに価値を見出していません。
それよりも、各地域で、それの対極のものを創っていきたい。具体的には、
「お客さんや自分たちがわくわくできる、独創的でおもしろいお店」を創りたい。
(もちろんコーヒーの味を追求していくことは大前提です。)
そのためには、やはりこれも「自分たちで考えて改善していける人たちの集まり=自立分散型」の経営体制を築くことが大事だと考えています。
だからと言ってもちろん全てを受容するわけではありません。
過度な自由は時に無秩序を引き起こす原因になりえます。よかれと思ってやったことが、誰かを悲しませる結果になることは往々にしてある。
どこに境界線があるのか。
それをチーム全員が理解しておくために、BASKING COFFEEには以前書いた通り「理念」や目指す場所つまり「ゴール」を明文化し共有しています。
そこの軸がブレなければ、トップダウンで人々を「管理」しなくても、各人や各店舗は楽しみながら自律的に改善し続けるはずで、それでいてなお「BASKINGらしさ」が核として残るということが可能だと信じています。
樹木で喩えるなら、根っこ(理念)と幹(人間性)の部分がしっかりしていれば、枝葉(個々が自由に振る舞うこと)の部分は、多彩であった方が美しい。ということです。
今後、お店が増えることがあって「BASKINGらしさ」と「そのお店・人の個性」のバランスを取ることを大切に、経営していきたいと思っています。
過去のBASKINGの哲学シリーズ
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